医師紹介
院長より
井草で開院してから、30年以上が経ちました。この街で診療を続けてこられたのは、地域の皆さまとの出会いに恵まれたからだと思っています。
かつて虎の門病院の眼科で、緑内障や網膜剥離の治療に携わっていた頃の患者さまが、いまも当院に通ってくださっていることがあります。その姿を見るたびに、「この仕事は、ただ治すだけじゃない」と感じます。
一人ひとりとのご縁を大切にしながら、日々の診察を重ねています。白内障や視力の相談はもちろん、眼鏡・コンタクトの処方や学校健診後の再検査など、身近な目のことを、何でも気軽に相談してもらえる。そんな町のお医者さんであり続けたいと、これからも思っています。
副院長(手術執刀医)より
白内障や硝子体の手術が専門で、長年取り組んできました。手術のあとに「先生にお願いして本当によかった」と言っていただけたり、その後も外来に通ってくださって、少しずつ距離が近くなっていくと、この仕事を続けていてよかったと、心から思います。
大きな病院では、患者さんが私の診察を希望されていても、すぐにお応えできないことが少なくありません。手続きが煩雑だったり、紹介状が必要だったりします。さらに、予約が何ヶ月も先まで埋まっていることもあります。 私の手術を希望されているにもかかわらず、医療とは直接関係のない事情によって、すぐに対応できない。そのような状況に、何度も歯痒さを感じてきました。
このクリニックでは、そうした制約を越えて、私を必要としてくれる方のそばで診療ができる。そのことに、いちばんのやりがいを感じています。
ある日、ほとんど目が見えない状態で来院された高齢の女性がいました。ご家族のために自分のことを後回しにしてきた方で、重度の白内障により表情も服装も沈み、年齢以上に老け込んで見えました。手術のあと、目が見えるようになり、身なりも明るくなって、笑顔が戻っていく姿を見たとき、あらためて「見えること」の意味を実感しました。
視力が戻ることは、ただ目が見えるようになるというだけではありません。気持ちが前を向き、心が、表情が、そして生活そのものが自由になります。私は、その変化にそっと寄り添える医療をしていきたいと思っています。
「もう手遅れかもしれない」「痛そうだし怖い」「病院って苦手」そんなふうに思っている方も、少なくないと思います。正直なところ、私自身もそういった気持ちがよくわかります。だからこそ、無理に何かを押しつけたりはしません。でも、もし少しでも「気になるな」「どうなんだろう」と思ったなら、その気持ちを軽くするお手伝いは、きっとできると思います。